orthomolecular’s blog

分子栄養学の勉強メモ

自然治癒の健康相談(24)関節が痛むのですが

相談者(55歳主婦):

二〜三年前からときどき膝が痛みます。これから寒さにむかうと、夜も眠れないことがあります。何かよい方法があったら、教えてください。リューマチでしょうか。

 

三石巌先生のアドバイス

リューマチといえば、慢性関節リューマチと、リューマチ熱と、二つになります。あなたのはおそらくリューマチではなく、老人性の変形関節症でしょう。関節痛でいちばんこわいのは慢性関節リューマチですが、この病気だと診断されて東大物療内科をたずねる患者のうち、半数以上はほかの病気で、その大部分は変形性関節症だそうです。慢性関節リューマチ、つまり自己免疫病性のリューマチには、経過のうえで特徴があります。最初の痛みは、指や手首の関節におきます。それも、指の場合ならば、根元か中ほどの関節におきます。もし指先に近い関節がはれたら、それは慢性関節リューマチではなく、変形性関節症である可能性がひじょうに大きいと思ってまちがいないそうです。

慢性関節リューマチの特徴は、多発性、つまり二つ以上の関節におこることです。それも左右対称におこるのがふつうです。指や手首のほかに、肘とか、膝とか、足首とかが、左右おなじようにやられるわけです。これに「朝のこわばり」が加われば、慢性関節リューマチと自己診断をつけて、ほとんどまちがいないそうです。朝のこわばりとは、指から手首、それから、腕から肩にかけて、朝のうち、こわばった感じがして、手がよく握れない現象をさします。こういった特徴的な症状のないらしいあなたの場合、慢性関節リューマチは考えにくいと思います。変形性関節症の痛みが、寒いとひどくなるのは

血行が関係している証拠です。局所を温めて血管を太くすれば、痛みはへります。夜は、電気毛布を使うようにしてください。血行改善のために、ビタミンEを利用するのが賢明でしょう。唾液腺ホルモンのパロチンで骨組織を強化するのも、有効なようです。変形性関節症の多くは膝におきます。ここは活性酸素除去酵素が少なくて、酸化しやすいという弱点をもっています。ビタミンEなどの抗酸化作用に期待がもてます。私もじつは、膝の関節痛の経験があります。ふだんはなんということもないのですが、寒風の吹く日にスキーリフトに乗ると、ちょっとした痛みがありました。それは、三年ほどまえのことで、いまはなんともありません。よくなったのは、ビタミンEを増量したため、と私は信じています。

リューマチ熱についても、一言ふれなければなりますまいが、これにかかるのは、三歳から一五歳ぐらいの子どもが大部分です。リューマチ熱の特徴は、三九〜四0度の高熱が急にあらわれ、どこかの関節が赤くはれて痛みだします。これは、溶血性連鎖球菌(溶連菌)の感染症ですから、風邪からはじまることが多い関係上、冬や、季節の変わりめによくみられます。のどが痛かったり、鼻血がでたり、頭痛がしたりで。ただの風邪とまちがえやすい病気です。

リューマチ熱では、よく心臓に炎症がおきますが、この心炎は、ステロイドでなおります。しかし、このとき心臓弁膜にひきつりがのこると、心臓弁膜症になります。

リューマチ熱がこわかったら、第17問の要領で風邪の予防につとめることです。というのは、リューマチ熱をくり返すと、心臓障害がエスカレートする、という危険があるからです。リューマチ熱からきたリューマチの場合も、ビタミンEによって血行を改善すること、痛みというストレッサーに対抗するために、タンパク質とビタミンCを大量にとること、鎮痛剤としてアスピリンを利用すること、アスピリンで胃がわるくなるようだったらビタミンAをとること、をおすすめします。成人の場合、アスピリン一グラムの薬物代謝には四時間かかりますから、四時間おきに二錠が限度と心得てください。