orthomolecular’s blog

分子栄養学の勉強メモ

自然治癒の健康相談(28)精神分裂病は救えませんか

相談者①(26歳の嫁):精神分裂病で、入院三ヶ月半です。いまはだいぶんおちついたそうですが、孫(二歳四ヶ月の男の子)への影響が心配です。

専門医の診断①:分裂病を大別すると、つぎの三つの型があります。つまり、10歳代後半からだんだん生気をなくし、周囲に背をむけてじぶんの殻にとじこもる「破瓜型」、20歳前後から、はげしく興奮するかと思うと、逆にいっさいの反応を失う「緊張型」、20歳代なかばごろにはじまる妄想と幻覚を主とする「妄想型」です。病気の経過やなおり方をみると、破瓜型は長びき、しだいに人格が変化するのにたいし、緊張型はどぎついわりに短期間でおさまり、妄想型はその中間であって、早く治療をはじめれば、数ヶ月で回復にむかう場合があります。薬のほか、心理的はたらきかけ、生活指導などによって、分裂病患者の70%前後は、なんとかたちなおります。回復の条件として不可欠なのは、周囲の人の理解と愛情とで、温かい人間関係です。入院三ヶ月でおちついたのはよい兆候です。担当医の指導のもとに外泊をくり返しているうちに、退院可能になるかもしれません。子どもさんにとっては、母親と分離されていることがあたえる影響が心配です。この意味で、入院はなるべく短期間で切りあげ、通院治療にするのがよろしいと思います。

 

相談者②(30歳主婦):以前、万事が自己中心的に動いているような気がしたり、神の声が聞こえるような気がしたりで、精神分裂病と診断され、二ヶ月ほど入院したことがあります。現在はなんの異常もなく家庭生活を営んでおりますが、やはり病気が不安で、いつもわすれようとつとめています。こんな心のもち方で、いつかは不安がなくなるでしょうか。

専門医の診断②:

あなたの場合は、もっとも軽い症状のようで、なおり方はひじょうによいと思います。分裂病患者はふつう、よくなっても、「じぶんはおかしかった」という反省の意識、つまり病識がでにくいものです。しかし、あなたにはそれがあり、しかも、「家庭生活をなんの異常もなく営んで」おられる事実が、その証拠です。あなたが、病気をしたことで悩んでいるのも、現在すっかりたちなおっていることの証拠なのです。あなたは不安をわすれたいといわれますが、むりにわすれようとしても、それはむだな努力でしょう。じぶんは他人にわからない特別な経験をしたと考えて、それを今後に生かしてゆく態度のほうがたいせつです。

 

相談者③(26歳の妹):高三のとき分裂病になり、一進一退でしたが、四年まえから規則正しく薬をのみつづけ、たいへんよくなりました。ことに最近二年間は完全によくなっていますが、医師は、「なおっているが、のみなさい」といいます。薬はもうやめたいのですが、どうでしょうか。

専門医の診断:薬をやめる時期は、私どもが日ごろ頭を悩ます難問の一つです。ふつうは、症状がなくなって病識があらわれ、生活能力が回復したと判断すれば、治癒とみなします。しかし、まだ薬をやめることはありません。というのは、薬には再発を防ぐ意味もあるからです。たとい少量でも、薬をつづければ、本人も周囲も安心できるわけです。発病当時の模様、病気の型、家族的背景、などを総合的にとらえて、再発の可能性を検討し、明るい見通しがたてば、薬をだんだんにへらして、ゼロまでもってゆくことになります。妹さんの場合、現在、朝と晩との二回のんでいる薬を、晩の一回にへらし、それでなんともなく数ヶ月をすごしたら、ゼロにしたらどうでしょうか。なお、薬をやめても、当分は定期的に診察をうけて、助言や指示をうけてください。周囲の人たちの協力も不可欠です。

 

三石巌先生のアドバイス精神病の薬として、よく使われるのはクロールプロマジンです。この薬にはアンチビタミン作用があって、ビタミンB2の作用を帳消しにします。薬をのんでいる患者の肌があれるのは、ビタミンB2欠乏のせいではないか、と私は考えます。それで、ビタミンB 2の併用をすすめたい気持ちです。もう一つはもっと重大な問題ですが、アメリカでは、ビタミンCの大量投与がおこなわれている、という耳よりな話があります。すでに1967年に、1500人の精神分裂病患者の80%に、回復もしくはいちじるしい改善がみられたということです。

ビタミンCの一日投与量を36〜48グラムという驚異的なものにした実験では、10人の患者全員に効果があったそうです。この場合、ビタミンCは四時間おきにあたえることになります。

精神分裂病患者の血液をしらべると、血中ビタミンC濃度がおそろしく低いことがわかります。この患者では、ビタミンCの消費が、正常な人の十倍以上にのぼります。それで、ビタミンCの補給が必要だというのです。これについてのくわしいことは、『ビタミンCのすべて』に書いておきました。日本の精神科医は、ビタミンCの利用に関心がないようですが、すくなくとも③の場合、精神病の薬のかわりにビタミンCをやってみてもよいのではないでしょうか。