orthomolecular’s blog

分子栄養学の勉強メモ

自然治癒の健康相談(33)しゃっくりの療法を教えてください

相談者①(58歳男性):毎日2~3時間、しゃっくりが出たり止まったりします。病気は全くありません。しゃっくりは横隔膜の痙攣とききますが、治療法はないものでしょうか。

専門医の診断①:しゃっくりは横隔膜の痙攣で、一種の反射運動です。その原因を大別すると、次の四つになります。①脳出血など、脳の病気からくるもの。②尿毒症、糖尿病など、血液中の有害な物質からくるもの。アルコールによるものも、これに属します。③横隔膜に物理的刺激が加わることからくるもの。もっとも多くみられるのは、食べ過ぎて大きく膨れた胃が刺激する場合、腸に溜まったガスが刺激する場合です。④過労、ことに心労にもとづく精神的なもの。あなたの場合、これらを総合して考えると、糖尿病の検査をしてもらうこと、食べ過ぎないこと、便通を良くすること、などが今後の注意点ということになりましょう。しゃっくりそのものは、特に長く続かない限り、悪影響があらわれることはありません。原因として、重い病気のあることを疑って、精密検査を受けるのものぞましいことです。しかし、あなたの程度なら、治療というほどのこともありますまい。

 

相談者②(64歳男性):7年前から、年に2~3回はしゃっくりが出て、それが2~3週間続き、ときおり呼吸困難に陥ります。あちこちの病院で受けた精密検査では、別に悪いところはないそうです。発作が起きると、精神安定剤の注射をしてもらいますが、その度に夢遊病みたいになります。どうしたら良いでしょうか。

専門医の診断②:しゃっくりは、心臓や肺のそばを通って横隔膜にゆく神経と関係があります。普通のしゃっくりは、食事を急いだり、冷たいものを急に喉に通したりしたときに起こるものです。そして、たいていは数分で、長くても数時間で止まります。常習性のしゃっくりの場合、大きな病気が隠れている場合があります。したがって次のような検査が必要です。①左右の肺の中間にある縦隔に異常が無いかどうか。②助膜炎は無いかどうか。③食道に憩室ができていないかどうか。④心臓に肥大は無いかどうか。⑤胃拡張や胃炎がないかどうか。

熱があってしゃっくりが続く場合には、肝臓に腫瘍のできていることがあります。脳腫瘍や脳出血によるしゃっくりもあります。このようなやっかいな病気でなく、神経性のしゃっくりもあります。老人や女性で痩せた人にこのタイプのしゃっくりがありますが、これは精神療法で治します。あなたの場合、呼吸困難があるとのことですが、太って高血圧があれば、心不全が想定されます。とにかく、検査で原因をつきとめて、特別なものがなかったら、横隔膜神経をブロックする手術によらないと、だめかもしれません。

 

三石巌先生のアドバイス:

しゃっくりが一種の反射であるとすれば、その反射が過敏であるのか、病気によって起こるのか、が問題になるでしょう。難しいものはむろん専門医の守備範囲ですから、ここでは、普通のしゃっくりの止め方を紹介しておきます。私の考えた方法は、横隔膜神経を指圧することをねらいとします。この神経は、骨盤が背骨とつながった部位の、背骨の両側にあります。ここは、骨をはずれたところでくぼんでいるので、指ですぐに探せます。ここを両手の親指で強く押してもらうのです。すると、スイッチを押して電気が消える時のように、すぐにしゃっくりが止まることさえあります。精神安定剤でなければ止まらないようなしゃっくりは、この方法では無理でしょう。神経性しゃっくりが、痩せた人に多いという事実は、ストレスを思わせます。ストレスからの解放のための心構えも重要でしょうが、高タンパク食とビタミンCとによって、ストレッサーに対抗するからだを作ることが先決だと思います。スプーン1杯の砂糖を口に投げ込むだけでおさまることがあります。