orthomolecular’s blog

分子栄養学の勉強メモ

自然治癒の健康相談(52)喘息は治らないものですか

相談者(70歳主婦):4年前の年末、急に咳が出てたんが絡み、2階に上がったとき、呼吸が困難になりました。背中をさすってもらい、床につきましたが、友人に勧められて、翌日入院しました。副腎皮質ホルモンの注射で、8日目には楽になりました。70日間の入院中に、次第に手足が痩せ、ものにぶつかるとすぐに皮下出血を起こし、赤あざがたえなくなりました。退院後も1~2ヶ月ごとに発作があり、副腎皮質ホルモンの注射を打ってもらいます。医師は、喘息は一生治らないと言いますが。

三石巌先生のアドバイス:ぜん息の大部分は、いわゆる気管支ぜん息です。気管支は末端では直径0.1ミリにも足りない細い管ですが、どこまでも環状の筋肉に取り巻かれています。その筋肉が全面的に収縮すると管が閉じ、肺の中の空気は外に出られなくなります。これが気管支ぜん息です。気管支の筋肉は、プロスタグランディンの仲間のロイコトリエンによって収縮します。喘息はロイコトリエンの仕業です。喘息の発作を抑えるのにはステロイドが定石ですが、このホルモンにはプロスタグランディンの生成をブロックする作用があるためです。

一方、プロスタグランディンE1にはロイコトリエンに拮抗する働きがあります。プロスタグランディンE1はガンマリノレン酸から誘導されます。だから、ガンマリノレン酸を大量に含む月見草油が喘息に良いと言われるのです。牛乳やバターも良いわけです。いずれにしてもフィードバックがうまく行かなければ、自力でなんとかすることはできません。配合タンパク、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、ヨードなどをお勧めします。なお、喘息患者では、首筋、肩甲骨の周り、胸の上部等にひどいこりがあります。そういうところにビタミンEを塗って行うマッサージも有効だと言われます。押してみて、痛いところ、凝ったところを探して、そこにビタミンEを塗り、指に適当な力を入れて大きくさするのです。

その後の経過:

高タンパク食・後ビタミン食を始めてからは、1ヵ月たっても、2ヶ月たっても発作が起きず、起きても目に見えて軽くなりました。そして、半年ほど経ってからは、喘息の気はすっかりなくなった模様です。もっとも2ヶ月前の寒い日に出歩いて風邪をひき、2週間ばかり咳が続きました。でも、これは呼吸困難を伴わないので、喘息ではなかったと思います。