orthomolecular’s blog

分子栄養学の勉強メモ

自然治癒の健康相談(57)甲状腺が悪いのですが

相談者(47歳主婦):半年前から吸気が冷たく感じ、四六時中マスクとマフラーが離せなくなりました。やがて、声がかすれ、首が太くカチカチになりました。倦怠感がひどく、目が半分しか開かないので本も読めません。膀胱炎も起き、喉が痛くて流動食しかとれず、時々自殺を考えています。私は若いとき扁桃腺を摘出したのですが、ないはずの扁桃腺が腫れて痛むのです。病院の検査では、甲状腺が悪いと言われました。医師の薬のほかに、漢方薬から、電気治療やハリもせっせとやったのですが、さっぱりよくなりません。

 

三石巌先生のアドバイス:

かつて、ルーマニアの医学者ポンチューは、自殺者の甲状腺を調べて、ほとんど例外なしにそこに異常のあることを発見しました。私は、あなたの話とこれとを結びつけたくなります。一方、あなたの年齢では、更年期障害から来る不定愁訴を思わないわけにいきません。そこでまず、更年期に特徴的なビタミンEの血中濃度の低下に対して、対策を立てることの急務を思います。病院の薬も漢方薬もハリも電気も結構ですが、とにかくビタミンEの大量投与が先決条件のはずです。あなたの強烈なストレスに対しても、また膀胱炎に対しても、ビタミンCの大量投与が良いでしょう。ビタミンCを大量にとれば、一部が尿に出て行く事は知られていますが、これは、ビタミンCが膀胱にたまることを意味します。そこで、ビタミンCの殺菌作用がものを言うはずです。膀胱炎は細菌の感染症ですから。それから、食事内容についてですが、流動食では低タンパク食を免れません。配合タンパクでも利用して高タンパク食にすることが必要です。タンパク質不足では、膀胱炎の原因になっている細菌に対する抗体を作るのにも不自由します。抗体はタンパク質ですから。目や消化器の状態を考えると、ビタミンAも欲しいと思います。結局、ビタミンのEとCとA、それに高タンパク食ということを私は考えます。

その後の経過:

兄や妹が、彼女の死の影を見た、と言う程で、当時の彼女には生気がありませんでした。でも、これまでの流動食を配合タンパクに切り替え、それとビタミンだけの食事をしているうちに、太かった首は細くなり、カチカチは取れ、体に弾力がついた感じになりました。膀胱炎も扁桃炎もなくなり、食事らしい食事をやめてしまったのに、3ヶ月ほどで元気になったのです。おっかなびっくりテニスコートに出てみたら、1人前のプレーができて、嬉しくなりました。目が半分しか開かなかったのは、ビタミンAを増量してみたところ、1週間もたたないうちにちゃんと開いて、本が読めるようになりました。

半月足らずして病院で診てもらった時、先生に、「甲状腺はすっかり治っている。あの症状はどこへ行ったのか、不思議だ」と言われました。これで、病気の問屋としての長い病院通いが終りました。彼女は、若い時のようにタフで、冗談を飛ばして人を笑わせるようになりました。20代から彼女は、鼻汁が口に流れ込むために、5分間に一回ほど、鉄砲のように鼻を鳴らさずにはいられませんでした。元気を取り戻してからも、この「鼻鉄砲」はそのままだったので、私はビタミンAの鼻孔への注入をすすめました。鼻腔粘膜の改善を狙ったわけです。これは、1週間もたたないうちに、忘れたように治って、メガビタミン主義を嘲笑っていた夫君の意識の変革に役立ったと言うことです。