orthomolecular’s blog

分子栄養学の勉強メモ

自然治癒の健康相談(59)眼圧が高いと失明しますか

相談者(小学4年生女子):視力が弱いので病院で診てもらったところ、視力は0.1、眼圧は25でした。親戚に緑内障で失明した人がいるので心配です。

専門医の診断:眼球内には房水という水が循環しています。この房水の圧力が眼圧です。眼圧は水銀柱15ミリ前後が正常で、20ミリを超えると要注意です。眼圧が高くなると、眼底の血管がつぶれて血液循環が悪くなります。すると視神経に送られる栄養素が不足するので、神経が萎縮し、視力が落ちて視野が狭くなります。子供の緑内障は稀ですが、あなたにはその恐れがあります。緑内障と決まったら、点眼薬と内服薬を常用し、それで改善されなければ手術ということになります。定期的な検査が必要です。手術は簡単で、レーザーで虹彩に穴をあけるだけですから、10分ほどで済みます。出血もありません。

 

三石巌先生のアドバイス:目のレンズつまり水晶体は、毛様体という名の筋肉の働きで厚さの調節がなされています。血液はこの毛様体を通過してリンパとなり、水晶体を洗うようにして虹彩との間の隙間を流れて前房に入ります。そして、すみっこの隅角のところで静脈に流れ込むわけです。遠視の人は隅角が狭く、老人は水晶体が大きいので、とかく房水の流れが悪くなります。すると、前房水の圧力が高まってくるのです。結局、眼圧が高くなるのは、房水の通路が狭いためで、それには水晶体と虹彩とが近づきすぎた場合と、隅角の抵抗が大きすぎた場合とがあると考えて良いでしょう。前者の場合には、虹彩に穴をあけて房水の通路を広げれば良いわけです。角膜と虹彩とがくっついてしまうと、レーザーというわけにはいきません。緑内障のきっかけは何かというと、たいていは強いストレスです。ストレスがあると副腎皮質ホルモンが出てきますが、このホルモンは、合成にも分解にも活性酸素を作ります。そのために血中の不飽和脂肪酸が酸化して、過酸化脂質になります。これが血液の粘度を高めて、循環障害を起こすことが考えられます。それならばビタミンEがよかろうと、読者諸君はお気づきでしょう。私の立場からすれば、それが正解なのです。事実、これで眼圧の下がった例はいくらもあります。無論、ビタミンCも併用するのが良いのです。それにしても、循環障害の性質と無関係に、ビタミン療法に期待をかけてはなりますまい。また、ビタミンEをのんでもだめなときには、品物を変えてみてください。吸収率や作用は、品物によって大幅に違いますから。