orthomolecular’s blog

分子栄養学の勉強メモ

自然治癒の健康相談(37)小学生の娘が仮性近視ですが

相談者(小学6年生女子):四年生の頃から、気がつかないうちに視力が下がり、学校の検査で、右目0.2、左目1.0と言われました。仮性近視だから、眼鏡は不必要とのことです。手当てとして遠視法を行い、一日30分ずつ努力をしています。眼鏡はかけない方が良いでしょうか。良い治療法がありましたら、教えてください。

専門医の診断:読書などでひどく目を近づけてものを見ることから起こる一時的な近視が、仮性近視です。目を近づけて細かい字を見ていると、眼球の毛様体という筋肉が収縮し続けるため、その癖がついてきます。そして、勉強が済んで遠くを見ても、筋肉が元に戻らず、近視の眼鏡をかけないと、はっきり見えなくなります。仮性近視は、放っておくと本物の近視になる傾向があります。仮性近視の場合、黒板の字が読めないのなら、教室では眼鏡をかけることにします。そして、家での勉強の時には、外すのが原則です。お子さんの場合、左の視力は1.0ですから、眼鏡の必要はないわけです。不便なら、教室の席を前に移してもらえばそれで良いのです。遠視法では、昼なら動く雲、夜なら星と、なるべく遠くのものを見る訓練で、毛様体の緊張をほぐすのが狙いです。健康や栄養に留意し、姿勢を正して勉強すること、ときどき休んで望遠訓練をすること、などを心がけてください。仮性近視の治療法はいろいろありますが、いずれにしても、根気よく続けることが第一条件です。

 

三石巌先生のアドバイス:

目のレンズは、水晶体と呼ばれます。これは水晶体嚢という袋に収まっていて、毛様体は虫眼鏡でいえば枠にあたる位置にあります。だから、毛様体が緊張すれば、枠が小さくなるわけですから、レンズは厚ぼったくなり、近いところを見るのに適した形になります。毛様体は筋肉ですから、必要に応じて緊張し、必要に応じてゆるまなければなりません。ゆるむことはできるけど、緊張の癖がついて、ゆるむべきときに容易にゆるまないのが仮性近視です。専門医の診断で、栄養の問題がとりあげられましたが、筋肉がタンパク質であること、筋肉の正常な活動にビタミンEやB群が必要であることを思えば、栄養状の問題が何を意味するか、おわかりでしょう。ビタミンB群については第20問に、エネルギー発生のためのクレーブスサイクルの問題として扱ってあります。それを参照していただきたいと思います。

仮性近視は、一面において毛様体の緊張が取れないために、水晶体が薄くなってくれないことによりますが、眼球の奥行きの長さ、つまり眼軸が伸びたことによる部分もないではないと思います。眼軸の長さは、目玉を動かすための眼筋と関係がありますから、ここでもまた、筋肉のための栄養が問題になってきます。

一方、目に何かの異常が起きたとき、それを回復するためには、まず血行を良くしなければなりません。タンパク質もビタミンB群も、血液によって運ばれるのですから、血行が悪くては万事休すです。眼球の栄養は涙からも供給されますが、主として、眼筋の中を通る血管から供給されます。そこで、眼筋を強くすれば血管が太くなり、血行が改善されるわけでしょう。

私が考えた「目玉の体操」は、これを目的としたもので、アイソメトリックスの応用です。それを紹介しましょう。

朝、顔を洗ったら、そのタオルで目玉を押さえます。押さえ方は、目玉の動きを止めるのに有効なようにしてください。こうしておいて、目玉を上に向けるように全力投球して6秒間、下に向けるように全力投球して6秒間、右に向けるように全力投球して6秒間、そして左に向けるように全力投球して6秒間とするのです。上に向けるようにする場合には、目玉を上から押さえるとうまくゆきます。上に向けようとするとき、実際には、上に向かないようにタオルで押さえるわけです。下、右、左、みな同じ要領です。この体操で眼筋は太くなり、血管も太くなってゆくはずです。そしてまた眼筋は、眼軸が伸びたのを元に戻してくれるでしょう。

四つの体操が済んだら、今度は目玉を大きく回します。右に左に、各10回ずつぐらいです。これで、眼筋は伸びたり縮んだりすることになります。これによって、発生した乳酸や二酸化炭素などが、静脈やリンパ管によって運び出されるはずなのです。

この目玉の体操を一年ほどやって、近視の眼鏡を二度も買い換えた人がいます。その人は20歳の青年ですから、仮性近視よりも本物の近視に近かったろうと思います。

これは、私の意見ですが、多くの場合、近視というものが、本物の近視の部分と、仮性近視の部分とを持っていて、少なくとも仮性近視の部分は、私の目玉体操で容易にとれるのではないかと思っています。この体操は、私が白内障になったときに工夫したものです。白内障は、発生して4年後には手術というのが平均だそうです。したがって、糖尿病をやりながらもまだ視力が残っているのは、この体操のおかげだ、と私は思っています。目の体操は、家内の場合、老眼の進行を鈍らせました。おそらく、全ての眼球の病気に、これは有効だろうと思います。

なお、これもアイソメトリックス(第9問)ですから、一日おきが原則です。