orthomolecular’s blog

分子栄養学の勉強メモ

自然治癒の健康相談(65)高脂血症といわれましたが

相談者(48歳女性):先日、循環器・肝機能の検査を受けたところ、高脂血症で要注意と言われました。心電図に異常はなく、血圧は140~78、血清総コレステロールは272でした。

専門医の診断:高脂血症とは、血液中のコレステロール中性脂肪など脂質の濃度が高すぎる状態を指します。日本人の場合、コレステロールの平均値は190 (100ミリリットル中190ミリグラム)あたりです。高コレステロール血症との診断の目安は220以上とされていますが、300を超えると問題になります。中性脂肪の方は、150以下が正常、750を超すと高度の異常とされます。

血中コレステロールにはHDL・LDLの二種があって、前者は善玉、後者は悪玉と呼ばれます。両者の和が総コレステロールです。総コレステロール272のうち、LDLの数値が問題になります。高脂血症があっても大半は無症状ですが、心筋梗塞などの原因になりますから、総コレステロールが300を超えたら、定期的な指導を受け、コレステロール低下剤を常用しなければなりません。

 

三石巌先生のアドバイス:LDLは肝臓でできたコレステロールを血管壁へ運ぶ役目の分子、HDLは血管壁の余剰のコレステロールを肝臓に連れ戻す役目の分子です。LDLは160以下、HDLは50以上が好ましいとされます。(詳しくは『成人病は予防できる』144ページ以下をお読みください)。ビタミンCには、LDLを胆汁酸に変える働きがあります。ビタミンEや少量のアルコール、適度な運動には、HDLを増やす働きがあります。ニコチン酸には、LDLを減らしHDLを増やす働きがあります。レシチンには血中中性脂肪を減らす働きがあります。

アミノ酸と言えば、読者諸君の常識は、タンパク質の構成要素としてそれを位置づけることでしょう。ところが、タンパク質と無関係なアミノ酸もあります。そのうち脚光を浴びているのが「タウリン」です。これは、アミノ酸システインから合成されますが、貝類などに大量に含まれています。これが総コレステロールを下げるというところから、アメリカでは、アワビのステーキが流行ってきたそうです。このような情報を総動員すれば、高脂血症もこわくないと私は信じています。コレステロール低下剤については副作用が問題になっていますから、あなたも、ビタミン類を利用したらいかがですか。

厚生省筋からビタミンE ・Cのとりすぎに対する警告が出ましたが、これをまにうける学者はほとんど皆無です。厚生省の狙いは、いわゆる健康食品業者の中の悪質なものに一撃を与えることにあったものでしょう。ビタミンEが肝臓に障害を与えたという報告はたった一例だと思いますが、これはよほど質の悪い製品の場合でしょう。ビタミンCは大量にとっても無駄だと言う話がありますが、摂取量の半分が排出されるには10〜14日もかかることがわかっています。コレステロール値を下げようとしたら、どのビタミンも、微量では効果が上がらないと思います。