orthomolecular’s blog

分子栄養学の勉強メモ

自然治癒の健康相談(4)半身不随はリハビリがきめ手ですか

相談者(70歳男性):5年前に脳卒中で倒れ、いまだに右半身がいうことをききません。方々の大きな病院を訪ねたのですが、はかばかしくありません。リハビリテーションに限ると言われ、一生懸命やっているのですが。

 

三石巌先生のアドバイス

からだというものは、タンパク質でできていると考えなければなりません。血管も、筋肉も、骨も、神経も、タンパク質でできています。もしそれが、分解することがなかったら、べつに補給の必要もないわけです。ところが、からだは絶えず壊され、材料を新しくしています。半身不随が起きて、その筋肉や神経が死んでいるなら話はべつですが、からだの中で死んだものは、毛や爪は別として、それは処分されてしまいます。質問者の半身が腐ったのでなければ、それはまだ生きています。機能が低下しただけの話です。それは四六時中壊され、作りなおされているはずです。そこで問題は、からだを作り直すのに必要なだけのタンパク質の補給があるか、ということです。それが不足の状態で、神経や筋肉が改善されるわけは絶対にありません。それはリハビリテーション以前の問題です。タンパク質不足のままのリハビリテーションは返ってマイナス要因になる、と私は考えます。

私の知る範囲ですと、半身不随の病人は、ろくに食欲がありません。食欲があっても、食事が細いのです。それも、病人の意のままに献立を作るとなると、まず低タンパク食は免れません。それで病気が治ったら奇跡というものです。

そこで、タンパク質をどうやってどれだけ取ればよいか、という問題にぶつかります。まず第一に、タンパク質の必要量は体重の1000分の1です。これは、壊れた分の補給と、代謝のための酵素の原料との二つの要求から決まった量と考えて良いでしょう。からだを作るのにも、壊すのにも、働かせるのにも、酵素というものが要ります。その製法を私たちは親から教わっていて、必要な時に必要なだけ作ることができるようになっています。酵素といえば、酵素食品を頭に浮かべる方が多いかもしれません。しかし、いわゆる酵素食品の酵素は消化酵素に限られますから、消化のため以上の期待をしては、あてが外れがちです。

 

牛肉330g    豚肉420g    鶏肉280g    イワシ320g    サケ290g    アジ280g

カジキ240g    卵400g    チーズ240g    豆腐1640g    牛乳2300ml

 

体重の1000分の1ということは、体重50kgの場合には50gということです。それだけのタンパク質を摂りたい人には上表が参考になるでしょう。

これで食事の計画を立ててみることです。それぞれを5分の1ずつで五品目を揃えるのが一番簡単でしょう。質問者の場合、配合タンパクを一日40gとしました。これはタンパク含有率もプロテインスコア(タンパク質良質度)も高いので、これだけで40g近いタンパク質がとれます。すると、あとは10gですから細工はグッと楽になります。