orthomolecular’s blog

分子栄養学の勉強メモ

自然治癒の健康相談(6)脳卒中になりはしないかと心配です

相談者(60歳男性):父も祖父も、60歳前後に脳卒中で倒れています。私もその年になってビクビクしています。遺伝だからと諦めたいのですが、なんとか予防できるものでしょうか。

三石巌先生のアドバイス個人的な見解ですが、脳卒中を遺伝病だと私は思いません。理由は何かと問われるならば、脳の血管の弱点といったものが、親ゆずりであったにせよ、それをカバーして平均的な血管の持主になれるという論理を、私がもっているからです。一口に言えば、そればビタミンによって解決される問題です。第5問

自然治癒の健康相談(5)高血圧は治らないものでしょうか - orthomolecular’s blog

に私は、ビタミンCによって血管が強化されると記しました。それを例にとって、私の論理を紹介したいと思います。

血管の壁の材料としていちばん重要なのは、コラーゲンという名のタンパク質です。このタンパク質は、煮るとゼラチン(膠=にかわ)になるもので、人体の総タンパク質の三分の一を占める極めて重要なものです。このコラーゲン(膠原=こうげん)をからだがつくるのに、ビタミンCの媒介を借りなければなりません。ビタミンCが足りないと、奇形のコラーゲンができてしまいます。コラーゲンは繊維状タンパクといって、いわば、糸のような長い分子です。これが縦横に走って、ちょうどコードを包む編物のように、血管壁の組織をつくっています。

コラーゲンを作るとき、どれだけビタミンCがあったらよいかが、人によって違うはず、と私は考えます。コラーゲンの製法は、親から遺伝子の形でもらっていますが、その青写真に個人差があって、それがビタミンCの要求量の差の形であらわれる、というのが私の体質論です。詳しくは『人間への挑戦』でみて頂かなければなりません。

ここにビタミンCの要求量の多い人がいて、その人の食生活の中でビタミンCのとり方が少なければ、その人は奇形のコラーゲンを持ちやすく、血管の強さに問題を起こしやすいはず、というのが私の見解です。このような遺伝子を持った家系が、ビタミンCの積極的な摂取を考えない食習慣にあれば、脳出血を起こすケースは多いはずでしょう。それがいやならば、食習慣を変える意味で、ビタミンCをとるべきではないですか。それは、薬でもなんでもなく、栄養補助物質以外のものではないのです。この頭の切り替えがないと、脳卒中は身近に迫ってくるでしょう。なお、血管強化のためには、ビタミンCの他にビタミンPが必要だといわれます。これは、ソバや、柑橘類の皮に含まれています。オレンジママレードなどはけっこうな食品のはずですが、日本では、ナツミカンなどの皮にヒ素をかけることが許されているので、日本製ママレードは、どうかと思っています。ビタミンPはCと違って、用途が狭く、必要量が少ないので、とくに薬でとるほどのことはありません。ビタミンPが足りない血管では、コラーゲンがガサガサになっているとみえて、血清タンパクが血管の外に滲み出します。そして、こういう血管は、やはり強度不十分ということになるのです。

脳卒中は、脳内出血、くも膜下出血など、血管が破裂して起こる出血によるものばかりではありません。梗塞もあります。梗塞とは、血管が詰まって血液をせきとめることです。梗塞が起きると、そこから先へは血液がいかないので、組織が死んで柔らかくなります。脳軟化がこれです。脳梗塞には、脳の動脈の内壁にお粥みたいなものが粘りついて、そのまま塞がるものと、お粥のかけらや凝集した血小板が、血流にのって狭いところにきて血管を塞ぐものと二種あります。脳栓塞、脳血栓などといって、これを区別することもできます。このお粥みたいな沈着物が、第三問の

自然治癒の健康相談(3)狭心症におびえています - orthomolecular’s blog

にあったアテロームで、粥状隆起ともいいます。脳梗塞についての私のアドバイスは、第三問と同じです。要するに、ビタミンCとビタミンEと、高タンパク食とを心がければ、まず、脳卒中の心配はない、と私は思っています。脳卒中の家系の人についてもです。