orthomolecular’s blog

分子栄養学の勉強メモ

自然治癒の健康相談(32)主婦湿疹の悪化は防げますか

相談者(歳主婦):大学に勤務していますが、湿疹で困っています。また、やたらに風邪をひきます。洗剤はなるべく避け、使うときはゴム手袋をはめています。ところが、三ヶ月まえから

右手中指の指紋が消え始め、皮膚が剥けだしました。今では右手親指も同様になり、バンドエイドでごまかしています。皮膚科で主婦湿疹と診断されました。週に3回注射し、ビタミン剤を処方され、患部には2種類の薬を塗りますが、症状はますます悪化します。指が赤くなって熱をもち、ものを持つと痛いので、いつも手袋をはめています。

 

三石巌先生のアドバイス:あなたの場合、原因はやはりABSないしLAS系の中性洗剤にあると思います。どちらも細胞膜のタンパク質に障害を与えますが、そのタンパク質が酵素タンパクであるために、その酵素の支配する代謝に障害があらわれるのです。むろん、細胞膜そのものの損傷もあって、それが湿疹の形をとるのです。生体の原則からすれば、細胞膜の損傷も、同化という名の代謝によって回復するはずです。しかし、そこには、タンパク質の十分な補給がなければなりません。洗剤の犠牲になったのは、主としてタンパク質だからであり、日ごろの食生活の中で、タンパク質の不足はむしろふつうだからです。そこでわたしのアドバイスは、高タンパク食をすすめる形になります。卵は一日に2個とし、そのほか、配合タンパクを20グラムやってみてください。これだけで、タンパク質の一日量は35グラムぐらいになります。あとは、肉や魚やとうふやご飯で15グラムとるつもりになれば、あなたの体重50キロに見合うタンパク質が摂れることになるでしょう。やたらに風邪をひくのも低タンパク食からきていると思うので、この切り替えで、それもなおるだろうと、私は考えます。

その後の経過:

指示の通りの食生活で、指の皮膚は少しずつ良くなってきました。最初の2~3日は便秘をしていましたが、それは間もなく解消しました。普段から便秘の傾向がありましたので、一概に高タンパク食のためとは言い切れません。高タンパク食を始めて半月ほどで、指先に元通りの皮膚がついてきました。それとともに痛みがなくなって、すっかり気をよくしていました。そこで油断して、それまで水仕事のときにはめていたビニールの手袋を使わなかったり、配合タンパクを忘れたりしました。そして、右手の親指の先がカマイタチのようにさけ、左手薬指の付け根には痒みの伴う湿疹ができてしまいました。しかし一番重症だった右手中指の皮膚はむけるほどにはなっていません。油断は禁物のようです。完全に治るまでは、高タンパク食を続けることにします。