orthomolecular’s blog

分子栄養学の勉強メモ

自然治癒の健康相談(25)ムチウチ症はなおりませんかなおりませんか

相談者(42歳男性):

四年まえに自動車事故でムチウチ症と診断され、二か月ほど入院加療しました。全治しないまま退院し、毎朝出勤の途中で病院によって、牽引を受けています。それをおこたると頭痛がひどく、仕事になりません。一生これがつづくのでしょうか。

 

三石巌先生のアドバイス

ムチウチ症というのは、首のあたりの背骨が脱白をおこし、そのために、背骨を組立てている椎骨が脊髄神経を圧迫する形の異常、とみることができるでしょう。椎骨と椎骨とのあいだには、図のように、椎間板とよばれる軟骨の板がはさまっていますが、これも正常な位置にはないわけです。ムチウチ症の治療の有効な手段は牽引ですが、これは、背骨をのばすように引っ張る療法です。背骨が引っ張られると、脱白した椎骨はもとの位置にもどり、椎骨板ももとの位置にもどるでしょう。それで、一時的ではあってもすべては正常となって、症状は軽くなります。テーブルの脚がぐらついたとき、そこにつっかい棒をすれば、一応はしっかりするでしょう。しかし、つっかい棒がはずれれば、もとどおりのぐらつきがはじまるでしょう。牽引は、このつっかい棒みたいなものです。ぐらついた脚そのものをなおさなければ、テーブルはなおったとはいえないでしょう。それとおなじことが、ムチウチ症になった背骨についても言えると思います。

ムチウチ症の治療には、まず、椎骨をつなぐ筋肉を強くすることです。筋肉が強ければ、その力で脱白はなおせるはずです。しかし、椎間板が変形しているので、それをちゃんとしなければいけません。筋肉の力を強くするのにはビタミンEが役立ちます。椎間板を正常にするためには、タンパク質とビタミンCとがいります。椎間板はコラーゲンでできているものだし、コラーゲンをつくる代謝にはビタミンCが必要だからです。

あなたの場合、高タンパク食と、ビタミンEと、ビタミンCをおすすめしたいと思います。痛い痛いで、ストレスがたまれば、タンパク質やビタミンCの浪費がおこって、その結果、椎間板はますます弱体化します。牽引療法も痛いのですから、こういう栄養物質の補給がなかったら、悪循環がおこるわけで、病気がなおるはずがない、と考えるのが正しいと思います。

なお、あなたの場合のタンパク質の量ですが、体重一キログラムあたり一グラム以上をめやすとし、不足の分を配合タンパクで補うことが必要です。また、ビタミンCは、最低一日五グラムはほしいと思います。それから、ビタミンEについては、最低五00国債単位ぐらいと思います。症状が好転するけはいがみえなかったら、軟骨強化のためビタミンAを補給します。牽引は二日に一回、三日に一回と、ゼロをめざして回数をへらしてよいと思います。牽引といえば、ギックリ腰を思いだす人もいるでしょうが、これにたいする私のアドバイスも、ムチウチ症の場合とおなじです。