orthomolecular’s blog

分子栄養学の勉強メモ

自然治癒の健康相談(31)指の湿疹の原因がわからないのですが

相談者(22歳の女性):中学生時代から、指に水虫のような湿疹ができて弱っています。医者の薬を飲めばなおりますが、薬をやめるとどんどん広がりだします。主婦湿疹でしょうか。

 

専門医の診断:軟膏で容易に治ること、家庭をお持ちでないことなどから判断すると、ただの主婦湿疹とは考えられません。もし、ゴム手袋をはめるようにすれば、薬をつけなくても悪化しないなら、身辺の文具、ハンドバッグなどの材質や塗料に原因ありと考えます。それは、刺激性またはアレルギー性物質の存在を想定してのことです。

また、ゴム手袋をはめても、汗をかくと発症するならば、発汗に続発する皮膚感受性高進、または、ゴムの添加物に原因を求めなくてはならなくなります。近来、幼児の足の裏が赤くなり、割れてきて痛むという病気が増えてきました。これはゴム靴に使われた添加物や接着剤によるものです。こういうことも参考になるはずです。婦人の場合、装身具・乳液・化粧水・石鹸によるアレルギーを疑わなければなりません。あなたの指の水疱を破ると、痒みが激減するようであれば、良質ハンドクリームを一日に数回塗れば、よくなるのではないかと思います。

 

三石巌先生のアドバイス:湿疹というのは、皮膚の細胞の自己消化のあらわれです。ほかの細胞でもそうですが、皮膚の細胞の中には、リゾゾームという名の小さな顆粒があります。そして、その中には40種もの分解酵素が詰まっています。もし、リゾゾーム遠包んでいる膜が破れたら、分解酵素が溢れ出して、細胞の中身、つまり原形質を分解してしまいます。湿疹の場合、皮膚にはこういうことが起きているのです。ですから基本的には、リゾゾーム膜の破れるのを防げば、湿疹はなくなると考えることができます。この幕を過剰に強化する物質として副腎皮質ホルモンがあり、やや過剰に強化する物質としてアセチルサリチル酸(アスピリン)があり、保護する物質としてビタミンEがあります。薬害を恐れるならば、副腎皮質ホルモンはこのリストから外さなくてはなりますまい。結局、根本的な療法としては、前問と同様、高タンパク食と、ビタミンEと、ビタミンCと、ビタミンkと、それからカルシウムということだと思います。アレルギー性の湿疹としても、これらがかなり効果を上げることでしょう。当然の治療法としては、酸性の湿布はどうか、と私は考えます。ただし。それはためしたことがありません。適当に酸性にしたら、リゾゾーム酵素が変性して、働きをなくすだろうと考えるわけです。酵素はタンパク質ですから、酸で凝固するはずなのです。その酸としては、アセチルサリチル酸(アスピリン)、またはアスコルビン酸(ビタミンC)が適切ではないかと考えますが、どなたかにためしていただきたいものです。なお、主婦湿疹とは、ABSLASなどの仲間の中性洗剤によるものです。これを避けるのには、洗剤を脂肪酸系もしくは高級アルコール系に変えることです。ただし、高級アルコール系との表示があっても、それを少し含んでいて、大部分は有害なABSLASである例が多いので、注意をします。なお、ソフト型と呼ばれるものは、ふつうはLASのことです。湿疹を起こす洗剤は、リゾゾーム膜の透過性を異常に大きくして、内部の酵素を吐き出させる性質を持っています。