orthomolecular’s blog

分子栄養学の勉強メモ

自然治癒の健康相談(42)胃潰瘍は手術せずに治せますか

相談者(45歳男性):胃潰瘍の診断を受け、手術すべきかどうかの判定のために、毎月一回病院で検診を受けています。手術を宣告されたら…と思って、心配です。

 

三石巌先生のアドバイス:

胃潰瘍では、胃壁の粘膜の一部の細胞が、膜の破れた状態になっています。この破れたのが自力でつくろえるなら、手術をしないでも治る、という理屈になるわけでしょう。

なぜ細胞膜がパンクしたかというと、膜の材料となっている不飽和脂肪酸が酸化したためです。酸化の元凶は活性酸素ですので、本来ならば活性酸素除去酵素SODの出番になるわけですが、膜のパンクした細胞は機能を失くしているので、SODを作ることができません。よそからの補給が欲しいところです。アロエ胃潰瘍に良いなどと言われるのは、SODのためだろうと思います。むろんそれが目当てならば、葉は新鮮でなければなりません。

もちろん、死んだ細胞は処分の対象になるわけですが、このとき清掃係として出動するのは白血球です。白血球のこの時の武器がまた活性酸素なのですから、やっかいなことになります。

ここで活性酸素の除去ができないと一大事になるわけです。それなのにSODが不足しているのが実情です。そこで直接にでも間接にでも、SODの代用になるものが欲しいことになります。そんなうまいものがあるかといえば、イエスです。それは、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチン、セレン、ユビキノンなどいろいろです。ベータカロチンはニンジンやカボチャの色素、ユビキノンはコエンザイムQとも呼ばれるビタミンです。

いちばん現実的な方法は、空腹時にビタミンCを服用することだと思います。

胃潰瘍といえば、胃ガンとの関連があるために、一種の恐怖をよぶ傾向があります。しかし、WHOの調査によると、胃ガン多発地域は、乳製品を摂らない食習慣の地域に一致します。それで、乳製品に含まれているビタミンAが着目されることになりました。

ビタミンAは、粘膜組織をつくる粘質多糖コンドロイチン硫酸(第35問)をつくるのに必要だから、この不足は粘膜の機能低下をもたらし、ひいてはそこにガンが発生する、ということなのです。

それを考えると、ビタミンAを摂ることも、この際考慮すべきだろうと思います。