orthomolecular’s blog

分子栄養学の勉強メモ

自然治癒の健康相談(44)膀胱炎が治りにくいのですが

相談者(32歳女性):二児の母です。3年前、膀胱炎で入院しましたが、根治しません。退院後も薬を飲み続けて、止めるとすぐ悪くなります。知人からウツボ草のことを聞き、それを煎じて飲むと、尿の出が良くなります。副作用は無いでしょうか。膀胱炎の徹底的な治療は、どうしたらよいでしょうか。

専門医の診断:強烈な症状を起こす急性膀胱炎だと、治療は楽ですが、軽い症状が長く続く慢性膀胱炎は、なかなか治りません。もう一度、専門医の診察を受けるようお勧めします。

ウツボ草には塩化カリウムが含まれていて、これに利尿作用があります。副作用を心配する必要はありません。しかし、利尿だけを狙うのなら、番茶をがぶがぶ飲んでも良いわけです。日常の注意としては、尿意をもよおしたらすぐに排出すること、下腹をカイロで温めておくことです。これで、不快感はかなり楽になります。

 

三石巌先生のアドバイス:

膀胱炎は感染症です。だから、これの薬としてよく使われるのは、抗菌作用のあるサルファ剤です。サルファ剤は、血液に運ばれ、腎臓を通、尿の中に溶けていきます。そして、膀胱壁にとりついている細菌に直に働きかけることになります。サルファ剤以外にも、抗菌作用を示す薬はいろいろありますが、尿に入る前に肝臓や腎臓で分解(薬物代謝)されるものが多い関係上、膀胱炎に対して効くことを期待するのが難しくなります。

そこで、ビタミンCの抗菌作用を利用しようと言う考え方が出てきます。ビタミンCを大量にとればそのままの形のものが尿に出てくるからです。あなたの場合、かなり大量のビタミンCをとってみたらどうでしょうか。ビタミンCの細菌に対する作用は、直接と間接と、2つあると考えられています。直接のほうは、その殺菌作用です。ビタミンCの殺菌作用は、ブドウ球菌大腸菌など、膀胱炎の原因となる細菌に対してあらわれます。そこで、ビタミンCがいくらあったら良いかと言う問題ですが、細菌の増殖を抑えるだけなら50ppmと推定されています。これは、体重60キログラムの人では3グラムに当たります。細菌を殺すためには、その2倍が必要だといわれます。

間接作用はこうです。細菌に対して、好中球と呼ばれる白血球が貪食能を表しますが、この働きは、白血球が十分なビタミンCを含んでいる時でないと、完全に果たせません。ビタミンCの補給は、二重の意味で、細菌に対して強くなる方法なのです。

なお、膀胱の内壁は粘膜になっています。ここを健全に保つためには、つまり抵抗力を与えるためには、ビタミンAもなくてはなりません。ビタミンAを、合成品なら1日30,000単位ぐらいとってみてはどうでしょうか。また、アスピリンか消炎酵素剤を飲んでみてはどうでしょうか。消炎酵素剤というのは、たいていはタンパク分解酵素です。この酵素剤で、炎症を起こしている組織を分解しようというのが狙いですが、消化管からの吸収率は、0.3%程しかありません。